お代官と越後屋日記 4第4話尾田川の趣味は「ダンス」である。 全くその容姿風貌からは想像できない。 自ら「私の趣味はダンスなんです」と吹聴しているところが これまた哀れを誘う。 尾田川が机に向かって真剣にPCに向かっている時は たいていダンス仲間との食事会の場所探しをしている時である。 そのくせ電子決済やら承認やら 女の子の手を借りなければ自分ではPC操作ができない。 親切丁寧に教えても2日後には忘れている。 お客の所に挨拶に行っても2日後には忘れている。 地元の法人会で名刺交換し歓談しても2日後には忘れている。 「まだ54才、わざとかもしれない」 白川は真剣にそう考えた時もあった。 が、それが考えすごしであったことに気付くのに あまり時間はかからなかった。 「お代官、それは前回も説明しましたが・・・」 この言葉が全藩士の口ぐせとなってしまった。 続く>> |